東京高等裁判所 昭和26年(行ナ)22号 判決
原告は審決中の本件商標が普通一般に使用される印鑑を拡大したものに過ぎないと言う拒絶理由は抗告審判に於て新たに附加されたものであるところ特許庁は予め之を原告に通知して右に対する意見書提出の機会を与えなかつたから右審決は商標法第二十四条、特許法第百十三条第一項によつて準用される特許法第七十二条に違反したものであると主張するけれども、審決中の右説明は畢竟本件商標がありふれたものであつて特別顕著性がないと言う従前からの拒絶理由の一事例を挙げたにすぎないものであつて、新たな拒絶理由を附加したものとは解し難く、而して本件抗告審判事件(特許庁昭和二十五年抗告審判第六八五号事件)の記録によれば、特許庁は昭和二十六年四月九日附を以て原告代理人築平二に対し、本件商標が商標法第一条第二項の要件を具備していないと言う拒絶理由と共に之に対する意見書を提出すべき旨の通知をしたことを認めることができるから、右抗告審判手続に原告主張のような違法の点はなく、右主張は失当と言わざるを得ない。